週末はラグビーW杯の話題で我が家は持ち切りでした。先週末に日本チームが敗退したとはいえ、4強の顔ぶれからいって面白い試合が期待できたからです。その結果はともかく、とにかくここまで日本全国がラグビーで盛り上がっていることに感慨を覚えざるを得ません。
我々の世代になると、20数年前にあったラグビーの「第一次ブーム」が思い出されてなりません。松尾監督の下、平尾主将らが活躍して、日本チームが史上最強(その時点では)と呼ばれた時代です。それまで閑古鳥が鳴いていたラグビー場に若いカップルが押し寄せて、「ラグビー・デート」なる言葉すら生まれた時代です(その時に多少のルールをかじった結果、今回のブームの中で放映される映像を見ながら多少は「今のはknock onだな」とか言えるわけです)。
でも結局はW杯などで思った結果が出せず、ブームはすぐに終わってしまいました。あっけなかったですね。むしろ日本ではその後は、サッカーがプロ化されて以降、スポーツ人気を野球と二分してしまった感覚です。
それから苦節20年余り、ラグビー関係者の努力により、W杯での日本チームの8強入りとラグビー人気の全国区化いう素晴らしい結果が付いてきました。そこにはマーケティングの観点での目覚ましい進化がありました。
そもそも、それまでW杯で1勝しかしていなかった日本がW杯の招致に成功したことが奇跡のようなものだったと思います(もちろん、日本のスポーツ関連市場がそれだけ魅力があったことも間違いありませんが)。これがラグビーのマーケティングの第一の成果です。
そして見逃してはいけないのが、マスメディアを使ってのプロモーションです。日本でのラグビーW杯開催そのものを宣伝する広告宣伝も金額的かつ効果的に小さくないですが、それ以上に効果的だったと私が思うのは、①TBSテレビ:日曜劇場のドラマ『ノーサイド・ゲーム』と、②NHKスペシャル『2019年ラグビーW杯』(2回分)の2つの番組です。これで世の中的にはラグビーへの興味がすごく掻き立てられたと思います(米津玄師が歌った主題歌「馬と鹿」もヒットしました)。
招致が決まってから急速に強化が進み、前大会では1次リーグでなんと3勝(しかも1勝は南ア!)を挙げ、世界ラグビー協会もほっとしたことだと思います。そして今回は招致国として1次リーグで4勝のトップ通過という快挙を成し遂げたのは周知のとおりです。その裏には対戦相手の研究と、勝つための明確な戦略があったわけです。これはチーム強化の結果でもありますが、ラグビー人気を盛り上げることに直結する、マーケティングの第三の成果です。
それ以外にも細かいマーケティング施策は当然あったと思いますが、やはりこの3つが効果としても大きいでしょう。そして今後はプロリーグの設立に向かうようです。スポーツマーケティングという分野には弊社も若干ながら携わったことがあり、今後も興味を持ってウォッチしたいと思います。