イケアと観光地に見る「人混みへの恐怖」の薄れ具合

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実は最近トランクルームを契約して、そこに自宅であふれ出した本や書類の一部を放り込もうと画策しています。そのトランクルームに造作する大小の棚を探しに、この2週間ほどで3回もイケア(IKEA)の店に行ってきました。

とにかく割安なのは相変わらずですが、週末の人の多さには驚き、閉口しました。

私は目的買いなのでどんどん先に進みたいのですが、多くの方は家族でやってきてゆっくり見て廻るのですね。広めの通路を家族で目一杯使い、右に行ったり左に行ったりと、とにかく進むのが遅いのです。そんな人たちを追い越すことが時に難しいくらい(でもショートカットもしまくりましたが)、人も多かったのです。

特にフードサービスのエリアは完全な「密」状態でした。一応、スペースが広いので「密封」ではないですが「密集」には違いありません。注文するために並ぶ場所には一応ソーシャルディスタンス用の線が引いてあるのですが、そんなの完全に無視されていました(その通りにしたら列が3倍は長くなりフードサービスのエリアをはみ出すのは間違いありませんでした)。

その光景を見ていて思ったのが、「既にこの人たちはコロナ慣れしてしまい、あまり人混みに恐怖感を覚えなくなってしまっているんだ」という驚きです。ついこの間まで神経質なほど人と距離を取っていたり、電車に乗ることさえ恐れていたりしたのに、と。

実は同じような光景を最近のニュースで何度か目にしていました。先週末から今週頭に掛けての連休、京都や鎌倉などの観光地では本当に「人ゴミ」と言っていいほど人が橋や通りに溢れて、有名なスポットでは行列になっていました。GO TOトラベルのキャンペーン効果をまざまざと見せつけられるような気がしたものです。

確かに野外なのでまだましなのかも知れませんが、あの人たちがお昼に一斉に飲食店に殺到すれば確実に「3密」になるな、と思ったものでした。どうせ観光に行くならもっと空いている土地に行けばいいのに、というのが率直な感想です。

こうして考えてみると、既に我々の多くがいつの間にか「コロナ慣れ」してしまい、あまり神経質に人との距離を取らなくなっているのです。

確かにほとんどの方がお出かけする際にはマスクをしていますし、商業施設に入る際には必ず消毒液を手指に掛けており、それだけでも欧米の人たちより感心な習慣が根付いています。でも飲食店では皆、マスクを外して食事をしますから、そこでの「3密」は実に危険なことは以前と変わりません。

ましてや今は第三波の真っ最中です。神経質にならないほうが本来はおかしいのです。この私たちの「慣れ」が第三波を余計に大きな波にしている気がしてなりません。

私自身は感染拡大予防と経済を回すことの両立こそ大事だと考えていますが、そのためには市民の側がもっと人混みを避ける工夫をすべきだと思います。観光地や店の側でももう少し平準化して来てくれるほうが有難いはずです。同じ観光地や店に「行く」としても、人混みのひどい時間・スポットを避けることは可能なはずです。いくら割安でも、わざわざカネを使って高い感染リスクに「挑戦」することは賢明ではありません。